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2009年05月12日

時代小説『戦場の桜』その17

「もしかして…」

眞之介はつぶやくと、立ち上がり。木の棒を構えた。
「岩之丞来るでござる!」

「ちょこざいな眞之介め。超能力増強(スーパーバワーアップ)石つぶてを受けてみろ。」

と言うや、先ほど以上に砂塵が舞い上がり、まるで夜のような暗さになった。

そこから、石つぶてが出てくると思われた瞬間。
眞之介の手からヒューンと音がして砂塵の中へ。

「な、な、なんだぁ…」

岩之丞の苦しそうな声が、聞こえると、砂塵が収まってきた。
そこに見えたのは、紐でぐるぐる巻きになっ岩之丞と、その紐をガッチリと持った眞之介であった。

「おのれー眞之介!離せ、離せ、離さぬかー」

と叫ぶ岩之丞を、晴れやかな笑顔で見つめながら、

「岩之丞、お前が自分で巻き付いたのでござるよ。お前の石つぶては、お前の素晴らしい体力を使った回転による砂の巻き上げと石の連打だってことがわかったでござるよ。なので、ボクはただ紐をつけた手裏剣を投げただけでござるよ」

「うぬー、見破られていたかー」

「今日は、これぐらいしとこう。」

眞之介は、岩之丞の背中から軍旗をヒョイと抜くと

「韮山軍の軍旗取ったぞー!三島軍、買ったぞー!」
と大声でよばわった。
すると、遠くから駆けてくる2騎の若者が、喜びを爆発させているのが見えた。
囲みを2騎だけ抜け、眞之介と国松を助けに来ようとしていた仁三郎と伊蔵であった。

喜びを分かち合う彼らの目には、戦場を密かにあとにする有楽斎の姿は目に入っていなかった。

「やはり、恐るべしは国松だけでないか…。」


つづく


あーあ勝っちゃったよー
戦場ものなのに、これから作者はどうするつもりだろ?
意見求

写真は浜松駅のお花


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時代小説『戦場の桜』その17
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