時代小説『戦場の桜』その10
仁三郎と伊蔵の軍勢がときのこえをあげながら、弥一の陣に突っ込むと、敵陣から何か黒いものがヒュンヒュンと飛んできて、彼らの行く手を遮った。
「なんだ?なんだ?ウヒョヒョ」
「マツボックリずら。痛くないずら。」
「あれ?何かベタベタするぞ。なんだこれは?松ヤニか?ううっくせぇ。ウヒョヒョ」
「松ヤニずら。ベタベタして動きにくいずら。馬が前に進もうとしないずら。」
と、仁三郎と伊蔵の軍勢が体にくっついたマツボックリを叩き落とそうと右往左往していると、弥一の軍の丸太が左右にぱあっと開き、馬に乗った軍勢が
「今だ。突っ込むぞ!今までの恨み晴らすときは今だ!
仁三郎と伊蔵をやっつけるぞ!」
弥一の目には、仁三郎と伊蔵を睨み付けながら、軍配の代わりの木の棒を思い切りふった。
つづく
まだ直接対決してないじゃん…。
眞之介はどこへ?
ちなみに写真は佐鳴湖南岸の藤の花。
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